第93回アカデミー賞 ノミネート紹介 監督賞

リー・アイザック・チョン 『ミナリ』(初ノミネート)

韓国系移民のドラマを描き激賞を集め、初のノミネートを獲得。作品も6部門ノミネートと勢いに溢れています。彼自身も韓国系のアメリカ人。つまり自伝的要素が強い作品となっている。次回作は『君の名は。』のハリウッドリメイク。おぉ・・・

エメラルド・フェネル 『プロミシング・ヤング・ウーマン』(初ノミネート)

正直女優としての彼女は知らないし、誰?と思ったが、監督や脚本では1作目から大成功を収めた。復讐に燃える女のドラマで見事に監督賞候補入り。女性監督が2人ノミネートされたのは歴史上はじめて。一緒にノミネートされたクロエ・ジャオと共にオスカーの作りました。

トマス・ヴィンターベア 『Another Round』(初ノミネート)

ペトロ・アルモドヴァル、ミヒャエル・ハネケ、パヴェウ・パヴリコフスキ、ポン・ジュノ・・・外国語映画であってもノミネートを勝ち得た監督は、本当の意味で評価が高い監督と言えるだろう。今回は彼。デンマークで、トリアーと一緒に「ドグマ95」を唱えた彼が大逆転でノミネートを獲得。『偽りなき者』で組んだマッツ・ミケルセンと再びタッグを組み、国際長編映画賞は堂々のフロントランナー。

デヴィッド・フィンチャー 『Mank マンク』(10年ぶり3回目)

今回の監督賞、実は彼以外は全員が初ノミネート。作品は最多ノミネートを獲得するほどに愛されている。おそらく今最も監督作品に出演したい監督の一人。90年代からコンスタントに結果を残している彼、3度目のノミネートと言うのは正直少なくて驚き。

クロエ・ジャオ 『ノマドランド』(初ノミネート)

オスカーの歴史が動こうとしている。キャスリン・ビグロー以来、2人目の女性監督受賞に王手をかけ、アジア人女性監督初受賞にも王手をかける。今回の賞レースを引っ張り、序盤から独走爆走。他の候補者を置き去りにし、勝利の山を積み上げていった。オスカーが近年「多様性」を重視する流れも味方につけている。いや、彼女は恐らくそのような意識や流れが無くてもきっと同じように賞レースを戦い抜いただろう。次回作はMCU映画『エターナルズ』。韓国に続き、中国映画人がオスカーの歴史に名を刻む時が来た。

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