多くの候補の中から熾烈なノミネート枠争いが繰り広げられるような年もあれば、ある程度人数が絞られたうえでノミネート枠が争われる年もある。今年の主演男優賞は後者だ。ノミネートの可能性が有るのは6人に絞られたと言って良い。
6人のうちノミネートがほぼ確実なのはチャドウィック・ボウズマン『マ・レイニーのブラックボトム』、アンソニー・ホプキンス『ファーザー』の2人だ。2人とも重要3賞全てで指名を受けているし、作品評価も素晴らしい。この2人のノミネートは疑いようが無いと言って良いだろう。
リズ・アーメド『サウンド・オブ・メタル』もノミネート当確と言った良いだろう。賞レースの前半戦を牽引しているし、重要3賞にもすべて指名されている。『ローグ・ワン』に出演もした彼がアカデミー賞に候補入りとは感慨深いものだ。ちなみに『天気の子』の英語版吹き替えにも参加している。
残る2つのイスを争うのはゲイリー・オールドマン『Mank マンク』、デルロイ・リンドー『ザ・ファイブ・ブラッズ』、スティーヴン・ユァン『ミナリ』だ。この中で一歩抜けているのはオールドマンか。作品はアカデミー会員好みだし、重要3賞全てでも指名を受けている。少し勢いがなくなっているという指摘も受けるが、何とかノミネートにはこぎつけたいところか。
作品評価を考えれば最後の枠にはスティーヴン・ユァンが来るだろう。『バーニング 劇場版』でも候補入りがささやかれたことがある程の実力者。今回はそれ以上の好評価作品と共に参戦だ。ゴールデン・グローブ賞ノミネートは逃したが、そもそもゴールデン・グローブ賞における『ミナリ』の扱いはかなりの批判が出た。それがプラスに働くだろう。
デルロイ・リンドーは、作品自体に勢いがなくなっており少し厳しいか。もちろん可能性は0ではないが、今回は厳しいだろう。
そんなわけでノミネート予想の6人はこちら。
チャドウィック・ボウズマン 『マ・レイニーのブラックボトム』
アンソニー・ホプキンス 『ファーザー』
ゲイリー・オールドマン 『Mank マンク』
リズ・アーメド 『サウンド・オブ・メタル』
スティーヴン・ユァン 『ミナリ』