ダン・クワン、ダニエル・シャイナート 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(初ノミネート)
MVで頭角を現し『スイス・アーミー・マン』でブレイクを果たした2人組の、ダニエルズ。到底オスカー好みとは言えない映画は、A24史上最大のヒットを記録し、さらにはアカデミー賞で11部門ノミネートを獲得。前哨戦はほとんど独走状態だっで、ブロードキャスト映画批評家協会賞を受賞。作品の勢いは未だ衰え知らず。受賞も十分あるぞ。
マーティン・マクドノー 『イニシェリン島の精霊』(初ノミネート)
『スリー・ビルボード』で激賞されるも、まさかの監督賞落選となってしまった名匠。故郷アイルランドを舞台にした映画で再び激賞を集め、遂に初ノミネート。前哨戦ではほとんど目立たなかったが、作品評価は非常に高く組合賞の結果次第では状況を一気にひっくり返す可能性も。
トッド・フィールド 『TAR ター』(初ノミネート)
『イン・ザ・ベッドルーム』、『リトル・チルドレン』と佳作を作り出すも、その後16年間メガホンを取ることは無かった。そんな16年ぶりの監督作品『TAR ター』で初のアカデミー賞候補入りとなる。作品の支持票はケイト・ブランシェットに持っていかれており、前哨戦でもそこまで目立てなかった。それでも映画ファンにとっては嬉しいノミネートとなったはずだ。
スティーブン・スピルバーグ 『フェイブルマンズ』(2年連続9回目)
76歳となった今でも現役バリバリ。もはや説明不要の巨匠が2年連続での候補入り。しかし、今回は自分自身を題材にした自伝的映画。映画史に名を遺す名商がいかにして誕生したかを描く。ゴールデン・グローブ賞を受賞。言わずもがな『シンドラーのリスト』と『プライベート・ライアン』で受賞済み。でも3度目の受賞があっても全く不思議ではない。
リューベン・オストルンド 『逆転のトライアングル』(初ノミネート)
まさかまさかの大逆転ノミネートを果たしたのは『逆転のトライアングル』で監督作品が2作連続でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した監督。『フレンチアルプスで起きたこと』、『ザ・スクエア』を始め玄人好みの映画を作り続けているスウェーデン人監督が初の候補入り。さて・・・どうなる。