★★★☆☆☆☆☆☆☆
監督 アレクサンダー・ウィット
主演 ミラ・ジョヴォヴィッチ シエンナ・ギロリー
ゲームを意識した作りにもかかわらず、強すぎるアリスがその雰囲気をぶち壊し。
死の都市と化しつつあるラクーンシティから脱出を試みるアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)らは、街を荒廃させた元凶である“T-ウィルス”の開発者アシュフォード博士(ジャレッド・ハリス)の存在を知る。
世界的に大ヒットしたアクション・ホラー「バイオハザード」の続編。前作から一変して、今作では随所にゲームを意識した作りになっている。そしてゲームの主人公ジル・バレンタインが満を持して登場する。監督はアレクサンダー・ウィット。アンダーソンは脚本に回った。出演はミラ・ジョヴォヴィッチ、シエンナ・ギロリー。
前作はハイブという地下施設を利用した閉塞感溢れる展開が素晴らしい、アクション・ホラーの傑作となった。ゲームとは全く違ったストーリーでありながらも、ゲームの、特に1作目に近い、雰囲気を出していた。逆に今作では積極的にゲームの要素を取り入れた。
随所にゲームを意識したシーンが出てくる。ストーリーは「バイオハザード ラスト・エスケープ」を軸にしている。ネメシスやラクーンシティをミサイルで吹き飛ばすあたりがそれだ。それ以外にも「バイオハザード2」で見たシーンや「コード ヴェロニカ」にも出てきたシーンが出てくる。
登場人物も「ラスト・エスケープ」が中心だ。ゲームシリーズの主人公ジル・バレンタインの登場はファンを大いに喜ばせただろう。しかも、演じたシエンナ・ギロリーがジルとそっくり(というか同じ)という点は今作の評価を大いにに高めただろう。オリヴェイラはどちらかというとクリスに似ていたのが少し残念だが。ほかにもニコライが登場(ゲームとはまった違うが)。他にもオリジナルのキャラを登場させた。
そしてネメシスである。「ラスト・エスケープ」ではジルを追い詰める敵役として登場した。今作でもその強さをいかんなく発揮。ただ、ゲーム版と違って少し優しい。
しかし、今作の雰囲気をぶち壊してしまったのが皮肉にも、映画版の主人公アリスだった。前作から一変、アリスがあまりにも強すぎて、ジルやオリヴェイラと言ったゲーム版の登場人物の影がかなり薄くなった。ネメシスと対決するのもアリス。もっとジルの戦う姿を見たかったのに!
S.T.A.R.Sの弱さもお粗末すぎる。この特殊部隊はジルやクリスが所属する超一流の精鋭たち。その彼らがものの数分であっけなく全滅。こんなんだったら登場させないほうがましだ。
前作「バイオハザード」は素晴らしい映画だったが、今作は一転して駄作。ジル・バレンタインのそっくり具合が半端ないことは評価できるが・・・。残念な作品だった。