ユナイテッド93


★★★★★★★★★☆
監督  ポール・グリーングラス
主演  ハリド・アブラダ  ポリー・アダムス

あの日を体験したかのように感じるリアルなつくりになっている。

2001年9月11日。大勢の乗員・乗客を乗せたユナイテッド航空93便は、離陸後にテロリストによってハイジャックされていることが判明する。やがて、その情報は搭乗者のみならず、地上にいる彼らの家族や管制塔にも伝わった。耳を疑う情報が流れ、想像を絶する恐怖に襲われながらも、機内の人々は一丸となってある決断を下す。

2001年の同時多発テロにおいてハイジャックされた機内の様子と管制塔の様子を可能な限りリアルに再現したノンフィクション映画。監督は「グリーン・ゾーン」のポール・グリーングラス。出演者は実際に管制官をしていたもの軍人が選ばれたほか、乗客、乗務員は無名俳優が選ばれた。

2001年9月11日、世界中が震撼したアメリカ同時多発テロ。2機が世界貿易センタービルへ、1機がペンタゴンに激突した。ユナイテッド93便はハイジャックされた4機の中で唯一目的地にたどり着くことなく墜落した飛行機である。その時、機内では何が起きていたのか。それが今作で描かれている。なお、ユナイテッド93便には当時学生だった日本人が一人搭乗していた。

今思い返しても同時多発テロは衝撃的な出来事だった。恐らく21世紀に起きた出来事の中で最も衝撃的だっただろう。アメリカという世界最強の国が一瞬にしてパニックに陥り、3000人以上の人が命を落とした。自分もYOU TUBEで飛行機の衝突映像を見たが、言葉にならないほどショックだった。

今作を制作するにあたって、制作陣には大変な困難があっただろう。あのショッキングな事件を映画に使用などというのだから周囲から批判が出てくることは想像に難くない。当然「金儲けのための映画」という批判が出た。

ただ、そうであっても今作の制作が実現できたのは制作陣の努力があってのもの。今作を制作するにあたって今作に搭乗していた人たちすべての遺族の承認を得ている。これは制作陣の誠実さがあったからこそ成し得たことだ。

今作はまさにあの日を体験したかのような感覚にさせる。カメラは安定してしていなくて、本当に自分がユナイテッド93便の中にいるような感覚に襲われた。飛行機が墜落するとわかっていても緊張感が一切途切れない。

さらに9月11日の様子をリアルに表現するために、その日に行われた情報交換のシーンも描かれており、しかも誤報を飛ばしたりして、絶対像がつかめない怖さを感じさせる。

後に飛行機からの電話は不可能という声や、ワゴンでコックピットまで侵入するのも不可能との声もあがっているが、実際にどうだったのかは誰にも分からない。今ではあのテロ事件はアメリカによる自作自演であったという説も流れている。

ただ、真実が何であれ、あの日に3000人以上の罪のない人間が命を落としたのは事実であって、さらにその遺族も含めれば被害者は1万人を超えている。どんな事件であっても風化していき、いつかは人々の記憶から消えてしまうかもしれない。

しかし、映画は名作ならば後世にずっと残る。今作もその名作であり、今生きている誰もが見るべき映画であると自分は思う。そして、後世に語り継ぐべきことだと思う。

2001年9月11日、あの日から10年以上の歳月が経過したが、今後一生遺族の心の傷がいえることはないだろう。世界貿易センタービルは完全に倒壊。現在はその跡地にフリーダムタワーの建設計画が進んでいる。確実に言えるのは、あの日は間違いなく世界の歴史の重要な転換点になったという事だ。

今作は間違いなく必見作。あの日を体験したかのような感覚に襲われ、その時の乗客の勇気ある行動に感動する。素晴らしい映画だ。

2001年9月11日に命を落とした全ての方のご冥福を心より祈ります。

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