★★★★★★★★★☆
監督 ザック・スナイダー
主演 サラ・ポーリー ウィング・レイムス
R-15
オリジナルとは似ても似つかないが正統派ゾンビ映画として楽しめる。
アメリカのワシントン州エベレット。看護婦のアナ(サラ・ポーリー)は仕事を終えて帰った翌朝、人間たちが凶暴化し、機敏な動きで次々と人間を襲う光景を目にする。パニックに陥った彼女は、夢中で自動車に乗り込み、町を離れようとする。
ゾンビ映画の金字塔「ゾンビ」をリメイク。監督は今作が長編デビュー作となるザック・スナイダー。出演はサラ・ポーリー。
「ゾンビ」はゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が創り出したゾンビ映画の金字塔として語り継がれている。でも残念ながら「ゾンビ」はそこまで面白く感じることができなかった。
そんな「ゾンビ」も現代風にリメイクしたのが今作「ドーン・オブ・ザ・デッド」だ。ショッピング・モールに立てこもるという設定はオリジナルと同じだが中身もキャラ設定もかなり異なる。
現代風であることもあり、登場人物も様々。ゲイもいるしアフリカ系の男とロシア系の女のカップルなど登場人物の設定は現代ならではのものになっている。
「ゾンビ」は確かに興味深い映画だ。でも残念ながらあの映画はそこまで面白くは感じられない。ゾンビがノロノロ歩いていて、全く緊張感がない。ジョージ・A・ロメロのゾンビというのは一貫してそうなのだがそれでは現代の人には受けない。
今作では「28日後」同様に全速力で走るゾンビとなっている。こちらの方が見ている側とすれば楽しい。全速力で走ってる方が緊張感もあるし、怖さもある。でもその中にガス爆発やゾンビの赤ちゃんなど定番のものも入れてくるのは好感が持てる。「デイ・オブ・ザ・デッド」のようにやり過ぎな感じのゾンビ映画ではないから安心だ。
今作はゾンビ映画でありながら人間の良い面を描いている。極限状態では信頼や助け意をする必要性を見せている。「ランド・オブ・ザ・デッド」ではその反面を描いていた(ロメロ監督作品)。比べてみるのもいいのではないだろうか。
さらに今作はザック・スナイダーの長編デビュー作品である。ザック・スナイダーと言えば「300」、「ウォッチメン」とクオリティーの高い作品を生みだし、今後は「スーパーマン」の監督もするなど今ではハリウッドでも売れている監督だ。その彼の才能は今作からでも見て取れる。彼はリメイクや映画化をさせれば天下一品の才能を持っているのだ。
「ドーン・オブ・ザ・デッド」は面白い映画です。正統派のゾンビ映画です。楽しめる作品なので見てみてね。