第93回アカデミー賞 部門受賞予想 助演女優賞編

本当にいろんなことが起こった2020年。新型コロナウイルスは世界のあらゆる産業に打撃を与えた。それは映画界も例外ではない。そんな2020年の映画界で活躍した人へ送られる最高の栄誉「オスカー」。
第93回アカデミー賞が日本時間4月26日行われる。例年より2か月遅れての開催だ。
アカデミー賞の予想を続けてきて10年経つ私だが、このサイトでの予想は1年目。
作品賞、監督賞、演技賞を個別に予想していきたいと思う。まずは助演女優賞から。

まずは今年の候補者をご紹介しよう。

マリア・バカローヴァ 『続・ボラット』(初ノミネート)
オリヴィア・コールマン 『ファーザー』(2年ぶり2回目)
アマンダ・セイフライド 『Mank  マンク』(初ノミネート)
ユン・ヨジュン 『ミナリ』(初ノミネート)
グレン・クローズ 『ヒルビリー・エレジー』(2年ぶり8回目)

この中で受賞経験があるのはオリヴィア・コールマンのみ。3人が初ノミネート。そして無冠の女王グレン・クローズが候補入りした。

続いて過去5年間の受賞者を振り返ってみよう。

第92回:ローラ・ダーン 『マリッジ・ストーリー』
第91回:レジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』
第90回:アリソン・ジャニー 『アイ・トーニャ』
第89回:ヴィオラ・デイヴィス 『フェンス』
第88回:アリシア・ヴィキャンデル 『リリーのすべて』

第88回のアリシア・ヴィキャンデルを除いては全員が長らく映画やテレビドラマなどのショウビジネスの世界で活躍してきた女優たちだ。ノミネート段階では若手女優にも門戸が広く空けられているこの部門だが、受賞者を紐解くと以外にもベテラン女優が傾向にある。

最後に前哨戦の中でも最も重要視されている俳優組合賞の過去5年間の結果を見てみよう。

2019年:ローラ・ダーン 『マリッジ・ストーリー』
2018年:エミリー・ブラント 『クワイエット・プレイス』
2017年:アリソン・ジャニー 『アイ・トーニャ』
2016年:ヴィオラ・デイヴィス 『フェンス』
2015年:アリシア・ヴィキャンデル 『リリーのすべて』

オスカーの受賞者と組合賞の受賞者は過去5年間で4回一致している。このうちヴィオラ・デイヴィス、アリソン・ジャニー、ローラ・ダーンは組合賞を含む重要3賞を全て受賞している。

ちなみに助演女優賞には好まれる役柄という物があって、それは「主人公の妻・母・娘」である。これについては昨年受賞したローラ・ダーン以外の全員に該当している。

これらのデータに当てはまり、尚且つ作品に勢いがあるとより受賞は近くなる。そう考えるのであれば今年最も受賞に近いのはユン・ヨジュン『ミナリ』だろう。彼女はハリウッドでこそ無名ではあるが、映画内では見事なインパクトを残した。主人公の妻の母という役柄ではあるが、非常に重要な役どころだし、何よりも『ミナリ』はオスカーが掲げる「多様性」の象徴とも言える作品の一つなのだ。

実際、ゴールデン・グローブ賞では『ミナリ』は作品賞の資格が無いとされ、多くの批判が巻き起こった。このことが作品にとっても、彼女にとっても追い風となったと言える。

そうでなくとも彼女は前哨戦で勝利の山を築き続けた。重要3賞は組合賞のみの勝利に終わったが、今最も勢いのあるコンテンダーであることは間違いない。ちなみに受賞すればアジア系女優としてはナンシー梅木以来の快挙だ。

対抗馬として挙げられるのはマリア・バカローヴァ『続・ボラット』だろう。部門は違うがゴールデン・グローブ賞を受賞し、ブロードキャスト映画批評家協会賞も受賞している。彼女もユン・ヨジュン同様にハリウッドではまだまだ無名だし、そもそも彼女自身もキャリアをスタートさせたばかり。

それでもサシャ・バロン・コーエンの娘役に抜擢された彼女は今大きく注目を集めているし、彼女のように無名の若手女優が受賞してきた歴史を私たちは知っている。

アマンダ・セイフライド『Mank マンク』オリヴィア・コールマン『ファーザー』は今回の受賞は無いと見える。今回が初ノミネートのセイフライドは『Mank マンク』の勢いを象徴するノミネートだったが、前哨戦は目立たなかった。重要3賞全てで指名は受けているものの、今回はノーチャンス。個人的には彼女に受賞してもらうと嬉しいのだが・・・

コールマンは2年前に主演女優賞を受賞したばかりだし、何よりも2年前と同じくグレン・クローズ『ヒルビリー・エレジー』が同じ部門にノミネートしているのが彼女の受賞をより難しくしている。

そう、今回ビッグサプライズを起こす可能性を持っているのは彼女だ。2年前、『天才作家の妻』でオスカー受賞に近づいた名女優はしかし、『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンの前に涙を呑んだ。恐らく多くの人がもう彼女がオスカーの舞台に来ることはないだろうと思ったに違いない。

それでも彼女は戻ってきた。2年前と違い、前哨戦で勝利を積み重ねたわけでもないし、同じ作品でラジー賞にも候補入りしている。それでも彼女はオスカーに名乗りを上げたのだ。受賞者の傾向から紐解いた「ベテラン女優が強い」というのに最も当てはまるのが彼女だ。恐らく最も功労賞票を集めるのは彼女だし、彼女の受賞を観たいと願う会員も多いだろう。

ちなみにユン・ヨジュンとグレン・クローズは同じ1947年生まれで誕生日はちょうど3ヶ月違い。何とも奇妙な縁である。2人のどちらが受賞しても初受賞だし、オスカーの歴史にとっても歴史的な受賞だ。封筒が開けられるその瞬間、笑うのは誰になるのか。楽しみだ。

受賞予想→ユン・ヨジュン 『ミナリ』

個人的希望→アマンダ・セイフライド 『Mank マンク』

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